空き家問題の現状2019~東京にも影響が出始めた空き家問題の原因や対策を解説

「空き家問題」という単語は、近年少しずつ認知されるようになってきました。

この記事をご覧の皆様も、聞いたことくらいはあるという方も多いのではないでしょうか?

一方で、具体的に何が問題なのか、とりわけご自身に対して何か影響があるのかということについては今一つピンと来ない方も少なくないのではないかと思います。

「自分が住んでいるエリアは都会だから関係ない。」

「空き家があっても、特に自分には関係ないだろう。」

しかし、空き家問題は今や首都東京ですら他人事ではないですし、空き家が増えてくることによって、周辺にも多大な悪影響が出るのです。

今回は空き家問題について、改めて「空き家」「空き家問題」がどういったものでるのかをご認識いただいた上で、原因を分析した上で、空き家問題にご自身が苦しまないための対策についても触れていきます。

本文で触れますが、ご自身の家の周辺に空き家が増えると、多大なる悪影響を受けることになります。

そうならないために、事前の知識をしっかりと入れておきましょう。

そもそも空き家って何?

そもそも、空き家問題の前に「空き家」が何なのかを明確にしていきます。

「文字通り空いている家の事じゃないの?」と思われるかもしれません。

概ね間違ってはいないのですが、正確には問題となるのは「用途が定まっておらず」「空いている」家のことです。

5年に一度行われる土地統計調査(総務省)に、「空き家」について以下のように定められています。

二次的住宅

別荘:週末や休暇時に避暑・避寒・保養などの目的で使用される住宅で、ふだんは人が住んでいない住宅

その他:ふだん住んでいる住宅とは別に、残業で遅くなったときに寝泊まりするなど、たまに寝泊まりしている人がいる住宅

賃貸用の住宅:新築・中古を問わず、賃貸のために空き家になっている住宅

売却用の住宅:新築・中古を問わず、売却のために空き家になっている住宅

その他の住宅:上記以外の人が住んでいない住宅で、例えば、転勤・入院などのため居住世帯が長期にわたって不在の住宅や建て替えなどのために取り壊すことになっている住宅など(注:空き家の区分の判断が困難な住宅を含む。

総務省統計局 用語集 ホームページより)

このうち、「空き家問題」の中で取り扱われている空き家は、「その他の住宅」に該当するものです。

別荘などの二次的住宅が普段空いていないのはまったく問題ありませんし、賃貸、もしくは売却用の住宅が借り手、または買い手がつかない状態で空き家であることも自然なことです(長期間取引が成立していないとなると、それはそれで別の問題ではありますが)。

用途が不明確なまま放置されてしまっているものが空き家問題の中での「空き家」の定義になります。

空き家が増えると周辺にどんな悪影響が出る?

空き家「問題」というくらいですから、空き家が出てくること、もしくは増えることで何らかの問題が起きることはご認識いただけるかと思いますが、具体的にどういった問題が生じるのでしょうか?具体的には以下のような問題が発生します。

①倒壊による安全面の懸念

まず、空き家の倒壊による安全面での懸念が最も深刻な問題として挙げられるでしょう。

もちろん、大災害が起きれば人が住んでいる家でも倒壊する可能性はあるのですが、長期間放置されており、メンテナンスの行われていない空き家であれば、その可能性は格段に高まります。

地震や台風といったものももちろんのこと、大雪が降るような地域であれば

屋根からの雪下ろしを行う人がいないことが倒壊に直結します。

②治安の悪化

空き家が増えてくると治安が悪化するというのは想像がつきやすいと思いますが、具体的にどのような懸念が想定されるのでしょうか。

一つは、空き巣です。

空き巣は人が気づきにくい家に侵入しますので長期間放置されている空き家などは格好のカモと言えるでしょう。

それだけでは自分には関係ないと思われるかもしれませんが、エリアとして空き巣に狙われやすくなってくると、ご自身の家も留守中に狙われる可能性が高くなってきます。

空き家があることによって、周辺の人がいる住宅も窃盗の被害にあう可能性が高まるのです。

次に、放置されている空き家を不法に占拠する人物が出てくる可能性もあります。

屋根を求めているホームレスくらいであれば、まだ実害は少ないですが、場合によっては逃亡中の犯罪者の潜伏に使われるようなリスクもあります。

空き家の存在そのものが招かれざる客を街に引き入れてしまうリスクを抱えているのです。

最後に、ゴミなどが放置されている空き家であれば放火されるリスクも高まります。

とりわけ、空き家になっている住宅というのは古い木造住宅が多いため、周囲への延焼のリスクも高いです。

③景観の悪化

空き家は誰も掃除もメンテナンスもしないため、長期間放置されていると、当然外観も悪化してきます。

庭でもあろうものならば、草木が放置され枝や葉が伸び放題となることで、さらに景観に悪影響を及ぼすだけでなく、場合によっては近隣の住宅に影響を及ぼす場合すらあります。

空き家一件だけであったとしても、周辺の景観に及ぼす悪影響は思いのほかに大きいものです。

空き家が複数出てくるとなると、その影響力は加速していきます。

④周辺の生活環境の悪化

最後に、「空き家」の発生そのものの影響ではありませんが、空き家が増え、街の人口減が顕著になってくることにより生活環境が悪化する可能性があります。

たとえば、スーパーマーケットや銀行といった生活に密接にかかわる店舗が、採算が取れなくなり撤退してしまったり、その後新しい店舗ができにくかったりといった具合です。

人口が減ることにより、住居だけでなくビジネスの面でも店舗が減少。

それに伴い生活環境の悪さを敬遠して新たな人口流入も見込めず、さらに店舗の撤退が進む、といった具合の悪循環が起こってしまいかねません。

まさしく、ゴーストタウンと化してしまうのです。

空き家問題の原因

安全、治安、景観、さらには生活環境など、あらゆる面で悪影響を及ぼしかねない空き家ですが、そもそもなぜ起こってしまっているのでしょうか。

その原因として考えられるものも複数挙げられます。

①日本全体での人口減

まず、日本全体で少子高齢化により人口が減っている、今後さらに減少が加速していくことについては共通認識でしょう。

人口が減少していくことにより、当然に住宅の需要も減ってきますので全体のトレンドとして空き家が増えていく傾向があることは想像に難くないかと思います。

特に、最近は高齢者のみの世帯や独居老人などが増えてきており、死亡や施設への入所に伴って空き家が増加するような潜在的なリスクも孕んでいるといえるでしょう。

②都心やコンパクトシティへの一極集中

これは国全体ではなく、地方が抱える課題ですが、近年は大都市への一極集中が進むことで、地方の過疎化が進行しています。

また、大都市だけでなく地方の中でも環境への配備からマイカー利用を減らすために、公共交通機関の利用で生活が成り立つようなコンパクトシティの形成が、国を挙げて行われています(立地適正化計画)。

これらの人口の移動が行われるに伴い、周辺の交通の便の良くないエリアでの空き家問題は加速していくことは想像に難くないでしょう。

③予算、税金の問題で空き家を処分できない個人の事情。

ここまで読んでみて、住宅の需要が国全体で、とりわけ地方で減少していることはご理解いただけたと思います。

一方で、

「『空き家問題』の解消ということで言えば、空き家を解体すればいいんじゃないの?」

とも思われたのではないでしょうか?解決策としてはご指摘の通りです。

ただ、現実問題としてその選択肢を取れない方も多く存在しているのです。

どういうことかというと、まず、家の解体そのものにある程度の予算がかかります。

それに加えて、現行の税法では不動産にかかる「固定資産税」は住宅にかかる金額よりも、住宅の建っていない更地にかかる金額はおよそ4倍。

つまり、空き家の所有者の視点で考えるとお金をかけて解体した上に高い税金を払い続けるよりも、空き家を放置していた方が得なのです。

もちろん、売却ができれば話は別ですが、空き家問題が深刻化している地域の土地であれば買い手がつきにくいことは想像に難くないでしょう。

処分したくても解体費用がそもそも払えず、手が付けられない空き家もたくさんあるのです。

周辺の空き家の増加で苦しまないために

空き家問題の原因がわかったところで、ご自身でできる対策について考察していきましょう。

空き家問題の根本的な対策、解決は国や地方自治体などの行政に委ねるほかありません。

主権者として空き家問題にも意識をもって投票行動するのも、理屈の上では非常に大事です。

ただ、現実問題ご自身やご家族が空き家問題の悪影響を受けないための最大の対策は空き家問題が深刻化しないであろうエリアを選定して住宅の購入を行うことです。

具体的には、まず10年後、20年後の街の姿を想像し、発展していくか、人口の増加が見込めるかといった部分を考えていくことが大切です。

ご自身が暮らす中での景観や治安を守るのももちろんのこと、今後賃貸物件として貸し出したり売却することもあるかもしれません。

その際、街そのものの人気があれば相手探しも比較的スムーズに行えるかとも思いますがゴーストタウン化してしまっていると、その難易度は一気に上がります。

また、街の将来性だけでなく、自治体が空き家対策に真剣に取り組んでいるかといったことも重要な判断要素になります。

空き家問題への取り組みはそのエリアの将来の価値に直結しますので、しっかりと事前に確認するようにしましょう。

まとめ

少しずつ認識されつつある空き家問題。

深刻化すると、景観が損なわれたり、生活が不便になる可能性があるだけでなく、治安や安全性も脅かされるかもしれません。

空き家問題は今や東京などの大都市ですら他人事ではありませんが、しっかりとエリアの将来性や自治体を選んでいけば回避することもできます。

家は、一生に一度かもしれない買い物。

どんな家を買うかももちろん大事ですが同様に大事な場所選びにも手を抜かないようにしましょう。

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