建売住宅購入時に消費税が課税されるもの・されないものリスト一覧

2019年に消費税の税率が10%に引き上げられました。

これまでの消費税増税時には、新築建売住宅の売れ行きはほぼ例外なく鈍っています。

ところが今回は、これまでほどの大きな影響はありませんでした。

このように建売住宅の売れ行きや経済全体にも影響を与える消費税。

ほとんどのものが消費税の対象ですが、中には非課税のものもあります。

ここでは消費税の仕組みと消費税増税に対する支援策について学んでいきましょう。

建売住宅で消費税が課税されるもの3選

ほとんどのものに課税される消費税。

建売住宅も例外ではありません。

特に新築建売住宅本体に課税される消費税は大きな金額になります。

消費税はモノだけでなく、サービスにも課税されるため、仲介手数料などの手数料も課税対象です。

建売住宅の売買で課税される主なものは次の3点になります。

  1. 建物本体
  2. 仲介手数料
  3. ローン手数料

それぞれ解説します。

1.建物本体

不動産といえども、消費税は課税対象です。

建物にも消費税は課税されます。

例えば、2000万円の建物には200万円の消費税です。

200万円もの消費税は、普段の生活ではなかなかお目にかかれない税額になります。

建物価格の10%もの税負担は購入者にとって購買意欲を削ぐものです。

このため、いくつかの支援策が用意されています。

2.仲介手数料

建売住宅の場合、売主であるメーカーから直接購入する場合、仲介手数料は発生しません。

ただ、建売住宅でも不動産業者が仲介に入ることがあります。

この場合は仲介手数料が発生し、その仲介手数料には消費税が課税されるのです。

3.ローン手数料

手数料のような物品以外にも消費税がかかります。

ローン手数料も例外ではありません。

ローン手数料は住宅ローンを借りる際に一緒に借り、そのまま金融機関に支払ってしまうことも多い手数料です。

このため、消費税が上乗せされていても意識しないかもしれません。

建売住宅で消費税が課税されないもの5選

多くのものに消費税が課される一方で、消費税が課税されないものもあります。

建売住宅の場合、大きなウェイトを占めるのが土地です。

土地には消費税はかかりません。

この他にも政策的な理由や消費税の本質から課税されないものがあるのです。

建売住宅の売買で消費税が課税されないものは次の5点になります。

  1. 建売住宅の土地部分の代金
  2. 固定資産税・都市計画税等
  3. 住宅ローンの金利
  4. 損害保険料
  5. 個人から購入する中古住宅

順次解説します。

1.建売住宅の土地部分の代金

土地は利用しても消費されるものではありません。

このため、消費税の対象とはなりません。

建売住宅の価格は土地と建物の代金から構成されています。

場所によっては半分以上を土地代金が占めるのです。

その土地に消費税がかからないのは、購入者にとってはメリットとなります。

マンションの場合は建物部分のウェイトが大きいことが多く、建売住宅ほど土地の非課税のメリットを受けられないのです。

2.固定資産税・都市計画税等

原則として税金に消費税がかかることはありません。

固定資産税は所有している限り課税されるものです。

固定資産税や都市計画税に消費税が課税されることはありません。

不動産取得税や契約時の印紙税にも消費税はかからないことになっています。

このように二重課税になることを防いでいるのです。

3.住宅ローンの金利

住宅ローンの金利にも消費税はかかりません。

金利の上昇は住宅ローンに利用者にとっては負担増です。

現在は歴史的な低金利となっています。

その一方で金融機関は収益が減少傾向です。

金利それ自体に消費税はかからないものの、税負担分を金利に上乗せしてくることは考えられます。

4.損害保険料

住宅を購入すると、ほとんどの人は火災保険や地震保険に加入します。

これらの保険料にも消費税は課税されないのです。

損害保険料は非課税扱いとなるものの、保険会社自体は課税取引も多くなっています。

保険会社の負担が大きくなれば保険料の値上げの可能性もあるのです。

非課税扱いの保険料も消費税の影響を避けて通れません。

5.個人から購入する中古住宅

課税業者には消費税の納税義務があります。

建売住宅を販売しているメーカーはほぼすべてが課税業者です。

一方、個人間の売買では消費税が課税されることはありません。

個人間売買に消費税がかからないのは、ネット上の個人間売買と同じ理屈です。

建売住宅とは離れますが、個人を売主とする中古住宅を購入する場合には消費税はかかりません。

建売住宅の場合は多くの業者が課税業者であり、購入の際には消費税が課されるのです。

建売住宅の消費税シミュレーション

建売住宅を購入する際、契約書には消費税額が記載されていました。

ただ、多くの人は総額で金額をみるため、消費税額に目が向くことは多くありません。

ここでは実際に消費税をいくら払っているか調べてみましょう。

仲介手数料の計算は消費税があることでやや複雑になっています。

消費税をいくら払っているか

先ほどもお話ししたように、土地には消費税がかかりません。

このため、建売住宅の売買では、建物や外構、付属設備などに消費税が課税されます。

一例をあげると次のとおりです。

計算例
土地3,000万円、建物2,000万円の場合 3,000万円+2,000万円+(2,000万円×10%)=5,200万円
土地2,000万円、建物3,000万円の場合 2,000万円+3,000万円+(3,000万円×10%)=5,300万円

このように土地建物の内訳によって消費税額は大きく変動します。

仮に税抜き価格が同じ物件でも土地建物の内訳価格が異なると、税込み価格が変わってくるのです。

建売住宅の契約書を確認してみよう

建売住宅の契約や重要事項説明書には土地建物の内訳価格が記載されています。

もしすぐに契約書を取り出すことができれば、一度内訳価格を確認してみましょう。

100万円単位の消費税額が載っています。

総額だけでなく、内訳価格まで確認すると、どれほど多額の消費税を支払っているのかがわかるのです。

建売住宅の建物価格は業者によってバラバラ

実はこの土地建物の内訳価格はメーカーによってバラバラです。

確かに建物価格の高いメーカーや安いメーカーは存在します。

ところが、同じような価格帯のメーカーでも建物価格が大きく異なるのです。

これは自分たちの利益を土地と建物いずれかに計上しているかにもよります。

土地に利益を計上すれば建物価格が安くなり、建物に乗せると建物価格が高くなるのです。

そうしたメーカーの姿勢によって消費税額も左右されています。

仲介手数料は建物の消費税を控除して計算

販売や仲介を他の業者に依頼していると、建売住宅でも仲介手数料が発生する場合があります。

この場合の仲介手数料は消費税を控除して計算するのが原則です。

ただし、消費税額の明示がない場合には、土地建物総額を基準に仲介手数料が計算されます。

購入者側からすると、消費税額を明示してくれたほうが仲介手数料は安くなるのです。

建売住宅に対する公的な支援策3選

これまでの消費税増税時には、消費が低迷した苦い経験があります。

このため、今回の増税には多くの支援策が講じられました。

こうした政策もあり、建売住宅の販売は多少の変動はあったものの、大きく落ち込むことはありませんでした。

その公的な支援策は以下の4点です。

  1. 住宅ローン控除の延長
  2. すまい給付金
  3. 贈与税非課税枠の拡大

それぞれお話しします。

1.住宅ローン控除の延長

住宅ローン控除は、ローン残高の1%に当たる金額(最大40万円)を10年間にわたって減税が適用される制度です。

この控除期間が3年間延期されます。

なお、11年目から13年目は建物価格の2%を3年間で割った金額とローン残高の1%に当たる金額のいずれか低いほうです。

つまり、消費税の2%増税分を還元してくれる制度となっています。

2.すまい給付金

これまで30万円が限度だったすまい給付金が50万円まで拡充されました。

すまい給付金は住宅ローン控除を補完する制度のことです。

住宅ローン控除は納付した税金が返ってくるシステムなので、納税額が少ないと効果が得られません。

すまい給付金は文字通り給付される仕組みなので誰でも平等に恩恵を受けられるのです。

収入額の目安は以下のとおりになります。

収入額の目安 給付基礎額
450万円以下 50万円
450万円超・525万円以下 40万円
525万円超・600万円以下 30万円
600万円超・675万円以下 20万円
675万円超・775万円以下 10万円

3.贈与税非課税枠の拡大

住宅取得資金等贈与の非課税枠が拡大されました。

2020年4月から2021年3月末までに売買契約をした省エネ住宅は、最大で1,500万円まで非課税となります。

親や祖父母などの直系尊属からの贈与に限られており、ある程度の資産がないと利用できません。

それでも以前の2割増しの非課税枠は魅力的です。

消費税増税で建売住宅は売れなくなったのか

かつては消費税が増税されると、それが原因で景気が低迷することもありました。

消費税は導入時から景気減速のやり玉にあげられているのです。

ただ、今回はこれまでのような大きな景気減速は起こりませんでした。

建売住宅の売れ行きも心配されていたほど落ち込んでいません。

消費税増税で建売住宅の売れ行きがどう変わったのか見ていきます。

かつての増税時は売れ行きが悪くなった

消費税は3%で導入され、5%から8%そして10%と上昇してきました。

その上昇時には駆け込み需要があり、その後は売れ行きがしばらく低迷しています。

このような動きが繰り返されてきたのです。

2019年の消費税増税時にも同様のことが起こると予想されていました。

そこで今回は様々な対策がなされたのです。

今回の増税では影響が少なかった

マーケットデータを見てみましょう。

7~9月平均 前年同期比 前期比
成約件数 3,664件 8.5% 38.9%
新規登録件数 15,264件 -15.1% -0.6%
成約㎡単価 3,162万円 2.0% 12.2%
新規登録㎡単価 3,724万円 -0.1% 0.5%

※東日本不動産流通機構|マーケットデータより

2020年の4月から6月は新型コロナウイルス感染症の影響もあり、市場はほぼ止まっていました。

こうした影響はあるものの、増税前の前年同期に比べて成約件数は増えています。

先ほどお話した住宅ローン控除の延長をはじめとする支援措置のほかにも、すでに終了してしまった支援策もありました。

こうした支援策の効果もあってか、駆け込み重要やその後の売れ行きの落ち込みもあったものの、その波は穏やかなものにとどまっています。

むしろ、消費税増税よりも新型コロナウイルス感染症の影響のほうが大きいくらいです。

公的支援策と景気の影響

消費税増税の影響はあったものの、今回はこれまでほどの影響はありませんでした。

これは支援措置の効果、そして景気が緩やかとはいえ回復傾向であったことが好影響です。

消費税の増税も何度も延期されており、いつかは税率が上がるものと予測もされていました。

結果として建売住宅への影響は軽微なものにとどまっています。

まとめ

建売住宅に課税される消費税は100万円単位です。

これは一生のうちでも何度も払う消費税額ではありません。

また、その金額がメーカー側の土地建物の価格内訳によって変動することもわかりました。

消費税が導入されて30年以上。

これからも増えることはあってもなくなる可能性は少ない税目です。

消費税とはうまくつきあっていくことが必要になります。

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