不幸にして離婚に至った場合、これまで住んでいたマンションの処分が問題になる場合があります。
住宅ローンが残っていればローン名義や残債も問題です。俗に離婚するには大きなエネルギーが必要といわれます。
これと同じくらいのエネルギーがマンションの売却にも必要なのです。
ここではマンションの売却だけでなく、ローン残債が残った場合の売却に代わる手段も解説しています。
売却だけではない様々な方策を紹介していくので、ぜひ参考にしてください。
また、これから不動産の売却を考えている人に一つ忠告しておきたいことがあります。
それは、「1社の不動産会社が提示した売却査定価格のみを参考にして売却活動をスタートすることは絶対にしてはいけない」ということです。
不動産の売却査定額の算出方法はそれぞれの会社によりけりです。
同じ不動産であっても、査定額に100万~500万円程度開きが出てくることもよくあります。
例えば本来5,000万円で売却できたはずの不動産が、一つの不動産会社に絞ってしまったために4,500万円になってしまったらどうでしょうか。
500万円の差は非常にもったいない!(500万円もあれば1年間何もせずに暮らせたり、旅行に行けたりと、いろんなことが可能です)。
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それではここから、離婚後のマンション売却について詳しく解説をしていきましょう。
離婚後の財産分与の考え方の基礎を押さえましょう
財産分与とは離婚時に財産をふたりで分けることです。清算的要素などの3要素に分けられます。
これらの要素の内容と、負債が残った場合の取り扱いについての解説です。
芸能ニュースにあるような何億円もの財産分与になるケースは一般人の場合は少なくなります。
まずは財産分与の考え方の基礎を押さえましょう。
結婚中になした財産を分けること
財産分与とは、これまでの結婚生活の間に増えた財産を夫婦で分かち合うことです。
夫婦の財産への寄与度合いで分与の割合は変わってきます。
財産分与の性質は清算的要素、扶養的要素、慰謝料的な要素があるといわれています。
財産分与の取り決めもせずに離婚を急いでしまうとトラブルの元になる場合もあるので注意が必要です。
マンションの売却益は清算的要素
結婚生活中に貯めた貯金やマンションを売却して得た売却益は財産分与のうち清算的な要素になります。
分割の割合は夫婦それぞれですが、年収などの割合、家事への寄与などが判断基準です。
かつては男性のほうが割合は高いこともありました。
最近は共働き、家事の分担などで女性の割合も多くなっています。折半の場合も多くなってきているのです。
ローンを払い続けるのは扶養的要素
例えば、奥さんと子どもがマンションに住み続け、旦那さんがマンションから退去する場合があります。
この場合、旦那さんが住宅ローンを払い続けるのは財産分与の扶養的要素です。
離婚後の生活をサポートするのが扶養的要素と言えます。
ただし、住宅ローン返済のモチベーションが下がり、滞納になる可能性もあるので注意が必要です。
財産分与は慰謝料的な要素もある
離婚の原因を作った側がもう一方に慰謝料を支払う場合もあります。これは慰謝料的な要素です。
ワイドショーなどでは芸能人が離婚した際に何億円の慰謝料を支払ったといった話題もありますが、一般人ではそこまで高額になることはほとんどありません。
日本の場合、慰謝料的な要素は少額になる傾向があるくらいです。
負債も分与する
離婚時に借金があるとそれも双方の責任になることがあります。
ギャンブルや浪費などの一方の責任になるものはその原因を作った側が支払うことが必要です。
マンションを売却しても残債が残る場合は一義的にはローン名義人の責任となります。
ただ、もう一方が連帯保証人になっていることもありますのでローンの責任が発生することもあるのです。
離婚後にマンションを売却する際の流れ
離婚後にマンションを売却する流れは通常の売買とほとんど変わりません。
とはいえ、離婚という特殊な状況なので売却よりも前の段階でいくつか取り決めておくべき事項があります。
ここでは売却前や売却時の流れ、取り決め事項についてのまとめです。
まずは足並みを揃えよう
不幸にして離婚となった場合、ふたりは別々の道を歩いていくことになります。
ですが、マンションを売却する場合には足並みを揃えておきましょう。
マンションの売却についてまで考えが違ってしまうと、売れるものも売れなくなってしまいます。
マンションを含めた資産の処分と離婚とは別に考えるべきです。
最低売却価格、条件を決めよう
足並みを揃える項目としては、売却の条件があります。
価格、売却時期、リフォームをするか、値引きは可能か、等です。
すでに別居していれば連絡も取りづらくなります。
こうした売却方針が整っていなければ不動産業者も動きにくいものです。
また、不測のいさかいを起こさぬためにも価格に関する取り決めはしっかりしておきましょう。
代表者を決めよう
売却にあたっては、代表者を決めるのが望ましいでしょう。一方がもう一方にマンション売却に関しての権限を委任するのです。
一方に委任しておけば不動産業者も代表者と売却活動を進めていけばよいので一般の物件と変わらなくなります。
事情のわかる不動産業者を選ぶ必要がありますが、スムーズな売却につながるのです。
売却の流れは変わらない
売却の原因が離婚に伴う財産分与だからといって基本的な売却の流れは変わりません。
夫婦の共有名義であったとしても、複数の所有者がいる不動産はいくつも売買されています。
離婚を決めたくらいなので理屈よりも感情的な部分の問題が多いと考えられるくらいです。
少なくとも離婚が原因でも売却価格に影響はありません。
離婚後にマンションを売却する際の3つの注意点
離婚時の財産処分を目的とする売却の場合は、通常の売却では大きな問題とならなかったことが問題となる場合があります。
それは名義の問題や査定額の問題がこれに該当するのです。
ここでは離婚後にマンションを売却する際の注意点を3つに絞って解説します。
共有名義の場合は両方の同意が必要であること
離婚の場合、マンションがどちらかの単独名義でも、価格設定や取り分などでトラブルとなる可能性があります。
もし夫婦の共有名義の場合は不動産の処分、つまり売却には共有名義人全員の同意が必要です。
足並みや目線を揃えておかないと買主は見つかったけれど売却ができなかった、というのは悲劇の可能性もあります。
マンションの査定額にも注意
売却するマンションの査定額にも注意が必要です。マンションの査定額はふたりで共有し、その理由もしっかり聞いておきましょう。
査定額を知らないと売却ができた場合に不当に安く売却したのでは、反対に高く売却できたのに取り分が少ないのではないか、といった疑念が起こるからです。
売却価格や査定価格は自分の取り分に直結する情報なのでなるべくオープンにしておいたほうがよいでしょう。
ローンが残る可能性
たとえ売却ができてもローン残債が売却金額を上回る場合があります。
こうなる残債だけが残ってしまいますし、金融機関も納得しません。
ローンを夫婦のいずれか一方が借りていても、もう一方が連帯保証人になっている場合もあります。
ローンを借りる段階で仲介手数料などの諸経費も含めて借りているとローン残債が残る場合があるのです。
住宅ローンを完済できない場合は任意売却を検討しよう
住宅ローンが完済できない場合は、かつては競売に付されるのが一般的でした。
これは今でも最終手段として機能しています。今はローンのリスケジューリングと並んで使われるのが任意売却です。
任意売却にもメリットとデメリットがあります。制度の概要とメリット・デメリットを解説します。
任意売却の概説
住宅ローンが返済できない場合、最後は競売に移ります。
競売という強制的な売却に対して、当事者の意思で任意に売却するのが任意売却です。
任意売却には一義的には金融機関の協力が欠かせません。そして次は所有者です。
共有名義だったり、住宅ローンの連帯保証人になっていたりする当事者の意思統一が必要です。
競売と比較した場合の任意売却のメリット
競売と比較したメリットは、以下のとおりです。
- 他人に知られるおそれが少ない。
- 競売よりも高値で売れる可能性が高い。
- 競売よりも短期間で現金化できる。
- 引っ越し時期などの売主の都合をある程度聞いてもらえる。
金銭的なメリット、売却条件等で競売よりも有利な面は多くなります。
競売よりも高値で売却でき、金融機関としても早く資金回収ができるからです。
また、現金化の期間も競売よりも短い期間でできます。
こうしたことから金融機関が任意売却に応じることは多くなっており、任意売却は増えているのです。
近年では任意売却が増加して競売が減少傾向にある地方もあります。
任意売却のデメリット
一方、任意売却のデメリットは次の通りです。
- 信用情報に記載される場合がある。
- 連帯保証人の同意が必要。
- 残債との兼ね合いで価格の折り合いがつかない場合がある。
任意売却特有のデメリットとは限りませんが、制度上仕方のないものもあります。
信用情報への記載や連帯保証人などが最たるものです。あとは金額の問題になります。
ローン残債があることから無理な価格設定で売却せざるを得ない物件もあるのです。
このため、なかなか売却できない物件もあります。
売却後も今の家に住み続けられるリースバックとは?
近年リースバックと呼ばれる制度が脚光を浴びています。これは売却しても今の家に住み続けられる制度です。
メリットも多い一方で、賃料が割高になるなどのデメリットもあります。
子どもの学区などの関係で今の家に住み続ける理由があれば検討すべき制度です。
リースバックの概要は
リースバックとは、マンションを専門の不動産業者に売却し、その不動産業者から売却したマンションを借りる制度です。
賃貸となるため家賃を払う必要があります。その反面、ローンからは解放されるのです。
まとまった金額が一度に手に入るので離婚時に限らず、事業などで資金が必要な際にも利用されます。
リースバックのメリット
リースバックのメリットは以下の通りです。
- 引っ越しをする必要がない。
- 売却したことが周りに知られない。
- 子どもの学区が変わることがない。
- 買戻しも可能。
- 比較的短期間で現金化が可能。
リースバックのメリットは現金化が早いことです。買主が特定されているので話がまとまるのが早くなります。
そして何よりのメリットは、今までと変わらない生活が送れることです。
外部から売買の事実が知られることが少ないので生活に変化がないことが評価されています。
リースバックのデメリット
一方のデメリットは以下の点です。
- 売却金額が安めになる。
- 賃料が割高になることがある。
- 買戻しの場合に買戻し価格が高くなることがある。
- 売却金額よりもローンの残債が大きい場合は使えない。
デメリットの多くは経済的な要因です。売却して賃貸関係を設定、買戻しの場合は一度設定した賃貸関係を清算します。
このため、手続きが煩雑になり、買い取る業者の利益も上乗せされることから売却金額や賃料の面では不利です。
何よりローン残債がある場合にはこの制度そのものが使えません。
離婚後のマンションを高値売却するための3つの方法
せっかくのマンションはなるべく高く売却したいものです。
ただ、そう簡単に高値で売却できるものではありません。ここでは相場を把握すること、一括査定を利用する方法を紹介します。
また、いち早く売却したいときの手段が買取です。これらについて解説します。
相場の把握が最優先
マンションにはそのマンションの相場が形成されている場合があります。その相場を無視して売却することは困難です。
今や検索サイトで売り物件の情報はすぐに調査することができます。
相場の把握を最優先して相場に沿った売却価格を心掛けましょう。
そうすれば適正価格で時間もかからずに売却することができます。
「不動産一括査定サイト」を活用する
不動産を少しでも高く売却する際の鉄則の一つが、「複数の会社から見積もりを取ること」です。
不動産を売却する際、多くの人は近所の不動産会社やCMなどの露出が多い大手不動産会社に査定を依頼することが多いです。
しかし、不動産の査定価格は不動産会社によって異なり、その金額差は100~500万円ほど開きがあることも珍しくありません。
本来4000万円で売れる可能性のある不動産であっても、「査定額は3600万円です。」と判断される可能性も十分あるため、1社だけの査定額を鵜呑みにすることは本当に危険なのです。
しかし、NTTデータが運営する「HOME4U」や、三井のリハウス、住友不動産販売などの大手6社が運営する「すまいValue」などを活用すれば、複数の不動産会社にまとめて査定の依頼をかけることができます。
<不動産一括査定の例>
A社 「3600万円です」
B社 「3800万円です」
C社 「4200万円です」
D社 「3950万円です」
E社 「4350万円です」
「3600万円+3800万円+4200万円+3950万円+4350万円÷5=3980万円」
上記のように、複数の不動産会社からの査定額の平均値を取ることで、適正に近い価格を把握できるようになります。
A社(3600万円)の査定額だけを信用して売りに出していたら、数百万円は安売りしてしまうでしょう。
また、E社の査定額を鵜呑みにした場合であっても、相場より高く売りに出しすぎてしまい、長期間売れ残って結局値下げするのがオチです。
これから不動産会社を売却する人は、「HOME4U」や「すまいValue」などの一括査定サイトを活用して、売却を始めるようにしましょう。
少しでも早くマンションを現金化したいなら買取を利用するのもひとつ
少しでも早くマンションを現金化しないと考えたなら、買取を利用するのもひとつの手段です。
買取はどうしても安めの売却価格になるデメリットがあるものの、素早く売却できるメリットがあります。
多少安くてもとにかくマンションを処分したい、というニーズには買取は最適の選択です。
離婚してマンションにそのまま住み続けることはできる?
マンションを売却せず、どちらか一方がそのままマンションに住み続ける選択肢もあります。
生活が変わらないというメリットがある一方で、ローンの延滞や契約違反の可能性などがデメリットです。
そのまま住み続けるメリットとデメリットを見ていきましょう。
離婚後も同じマンションに住み続けるメリット
住み続けるメリットは以下のとおりです。
- 引っ越しせずに変わらない生活が送れる。
- 子どもの転校がない。
- 住宅ローンと家賃の二重払いがない。
メリットの多くはこれまでの生活が継続できることになります。
離婚という一大イベントで生活は変化しているはずです。家族関係の変化だけでも大変なことです。
生活環境の変化が少ない方がよいという人にはそのまま住み続けることをおすすめします。
離婚後も同じマンションに住み続けるデメリット
一方で住み続けるデメリットは次のものがあります。
- ローンの支払いが滞る可能性がある。
- 連帯保証人は継続する。
- ローン名義人が住まないとローン契約違反の恐れがある。
- ローン名義人が住まないと住宅ローン減税が受けられない。
ローン名義人が住まず、もう一方が住んでいる場合には、返済のモチベーションが下がり延滞の恐れが高まります。
これ以外にもローン名義人が住んでいないと契約違反を問われたり、住宅ローン減税が受けられなかったりといった契約上や税務上の問題も発生するのです。
理想としてはローン名義人がそのまま住み続けるパターンになります。
離婚後のマンションを賃貸に出すことはできる?
離婚した後、そのマンションを賃貸に出すことは可能です。
上手くいけば住宅ローンの返済分以上に稼ぐことができる場合もあります。
一方で不動投資は相応の準備と覚悟がないと成功できないものです。
ここでは離婚後にマンションを賃貸に出した場合のメリットとデメリットをご紹介します。
離婚後のマンションを賃貸に出すメリット
マンションを賃貸に出すメリットは以下の通りです。
- 家賃収入を得ることができる。
- 家賃収入でローンを返済できる可能性がある。
- 夫婦ともマンションを離れるため心機一転となる。
家賃収入で住宅ローンを返済できるようになれば理想的です。住宅ローンが新しい生活の負担になることを防ぐことができます。
他人に貸すことで夫婦ともマンションから離れることで新しい生活に入りやすくなるというのもメリットです。
離婚後のマンションを賃貸に出すデメリット
マンションを賃貸に出すデメリットは次の通りです。
- ローン名義人が住まないとローン契約違反の恐れがある。
- ローン名義人が住まないと住宅ローン減税が受けられない。
- 空室だと住宅ローンがそのまま負担となる。
- 家賃が住宅ローンを上回るとは限らない。
ローン契約や住宅ローン減税はマンションにローン名義人以外が住み続ける場合と同じリスクです。
空室リスクがあることは投資物件全般のリスクになります。
住宅ローンよりも家賃が高くないと持ち出しになるため、負担が発生する可能性があるのです。
立地条件がよく、高い家賃が望めるマンションであれば可能ですが、それ以外は賃貸に出すことはリスクがあります。
まとめ
貯金や有価証券であれば簡単に分けることが可能ですが、マンションは実物資産なのでそうはいきません。
またローン残債が残る場合があるなど問題は複雑になります。
離婚はエネルギーがいるものですが、マンションの売却にもそれに劣らずパワーが必要です。
マンションの売却については足並みを揃え、なるべく短期間にスムーズに行うようにしましょう。
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