住宅の購入を検討している方であれば「フラット35」という住宅ローンを耳にされたことがあるのではないでしょうか。
「フラット」の名のとおり、金利が開始から終了まで一定だというのが大きな特徴ですが、利用するとすればどのような点に注意をすればいいのでしょうか。
フラット35のあれこれを詳しく探っていきましょう。
また、これからハウスメーカー選びを始めようとしている人に、1点だけ先にお伝えしておきたいことがあります。
それは、ハウスメーカーを選ぶ際には、事前の情報収集がもっとも重要であるということ。
CMでよく見かけるハウスメーカーや、たまたま住宅展示場で見て気に入ったハウスメーカーがあった際に、しっかりと比較しないまま依頼をしてしまう人がいますが、絶対にやめましょう。
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住宅の購入は人生で一番高額な買い物ですから、焦らずしっかりと時間をかけて、依頼するハウスメーカー選びをしましょう。
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それではここから、フラット35の特徴について詳しく解説をしていきましょう!
フラット35って何?
フラット35は、住宅金融支援機構がメガバンクや地方銀行といった民間の金融機関と提携して提供する住宅ローンです。
全期間金利が固定されており、利率が比較的低い設定であることから人気を集めています。
具体的にどのような特徴があるのかみていきましょう。
固定金利が特徴
住宅ローンの種類は、金利のタイプによって、全期間固定金利型、変動金利型、固定金利選択型の3種類があります。
全期間固定金利型は、全期間金利が変動することがないため、借入時に返済終了までの返済額が決定します。
この額は返済完了まで変わることがないことから、返済計画が容易に組み立てられるという利点があります。
市場の金融情勢とは一切連動しないため、市場金利が上昇しても低い金利のままで返済できます。
一方、市場金利が下がっても金利が下げられることがない点はデメリットだといえます。
変動金利型は、市場の金融情勢に応じて、借入金利が変動するタイプです。
半年ごとに見直されるものが一般的です。
市場金利が上昇基調になると返済額が増加するというリスクがあります。反面、市場金利が下がると返済額も下がる利点があります。
固定期間選択型は、1年、3年、5年、10年、20年など選んだ期間中は金利が固定されて、それ以降は金利が変動するタイプです。
固定期間が長いほど利率が高くなるという特徴があります。
固定期間終了後も引き続き固定期間選択型を選択することも可能です。
フラット35はこれらの住宅ローンの種類のうち、全期間固定金利型に該当します
市場の金融情勢が上昇基調であることが明らかであれば、選択するメリットは非常に大きいものになります。
低金利なのも特徴
フラット35の金利は、2017年以降1%前後で推移しています。
これは民間の金融機関が提供する住宅ローンが2%から3%の間で推移していることを鑑みるとかなりの低水準建だといえます。
しかも全期間固定金利ですから、返済中に金利が上がり返済額が増えるという心配もありません。
フラット35で高品質の住宅に住む
フラット35と他の住宅ローンとの大きな違いのひとつに、独自に断熱性や耐久性などの技術的基準を定めている点があります。
この基準を満たさなければ融資を受けることができないため、フラット35の利用者は必然的に高品質の住宅に住むことができるのです。
具体的にどのような基準があるのかみていきましょう。
耐久性があって点検やメンテナンスが容易な住宅
フラット35の基準では、地面から土台の下端までの高さを40㎝に定めています。
このため地盤から床面までの高さは50㎝以上となり、建築基準法で定める床高45㎝の基準よりも厳しい設定がされていることになります。
この他小屋裏換気、床下換気、床下防湿、防腐防蟻措置についても、それぞれ建築基準法よりも厳しい設定がされているため、建物の長寿命化を図ることができるのです。
建物の延命を図るためには、建築物の構造ばかりでなく設備の点検や補修も重要な要因となります。
フラット35の基準では、設備配管の点検口の設置を義務付けると共に、配管をコンクリートに直接埋め込むことを禁じることによって、補修や交換が容易に行えるようにしています。
断熱性を高めて快適な環境を確保
フラット35の住宅は、天井、壁、床に断熱材を充填することが義務づけられています。
さらに結露を防止するために防湿フィルムを室内側に張らなくてはいけません。
これにより、冷暖房が効率よく効き、なおかつ結露の発生しない快適な環境を維持することができます。
フラット35Sでさらに安全安心な住宅に
さらに住宅の断熱性や耐震性を高めると、フラット35Sの特別融資が受けられます。
フラット35Sでは、住宅性能のランクによる金利Aプランと金利Bプランが選択できます。
金利Aプランは借入当初から10年間、金利Bプランは借入当初から5年間、金利が0.25%下げられます。
それでは住宅の品質をどうすれば、フラット35Sの特別融資が受けられるのかをみていきましょう。
さらに高い断熱性
フラット35の基準では壁の断熱材の厚さは3㎝以上と定められていますが、フラット手35Sでは、この厚さが10㎝になります。この他天井や床も同様にフラット35の基準よりも、さらに断熱材を厚くすることになります。
地震にも負けない住宅
フラット35Sでは、免震性と耐震性に厳しい基準を設けています。
免震性とは、建物に直接地震の振動が伝わりにくくするもので、免震ゴムや免震装置を取り付けることで地震の際の揺れが軽減できます。
また耐震性も建築基準法で想定している地震の1.5倍が発生しても崩壊してしまわない強度を求めています。
高齢者にやさしい住宅
フラット35Sの基準に適合させるには、床の段差をなくしてバリアフリーの住宅にする必要があります。
廊下幅や扉の幅も広く設定されているため、車いすの使用がスムーズになります。
またトイレや浴室に手すりを設けるなど高齢者にやさしい仕様の住宅になります。
優遇金利はお得なのか
住宅の性能をアップすることでフラット35Sの特別融資が受けられ、10年もしくは5年間金利の優遇を受けられることができます。
でも、この優遇される年0.25%の金利はどれくらいの節約効果があるのでしょうか。
たとえば3千万円の融資を受けた場合、金利Aプランだと約75万円の節約になります。
もちろん、金利Aプランの基準に合った住宅に仕上げるためには、工事費もその分高額になりますから、単純に節約というわけにはいきません。
しかし長い目で見れば、断熱効果のアップにより光熱費の負担を大幅に減らすことができるのですから、住宅のグレードを上げる価値は十分にあるといえます。
なにより、地震に強い住宅に住めるという安心感は、単純にお金の問題だけで比較できるものではありません。
融資の審査条件はどんなものか
いろいろとメリットの多いフラット35ですが、実際に融資を受けるのにはどのような条件があるでしょうか。
フラット35を運営している住宅金融支援機構は、国が管轄している組織です。
このため住宅ローンを貸し出している目的は、国の住宅施策を推進していくことに重点がおかれています。
この点が利益を優先する民間の金融機関との大きな違いです。
行政独立法人は、情報公開請求や不服審査請求の対象となる機関であるため、予め定められた融資の審査基準に合致していることが何より優先されます。
そこには担当者個人の恣意的判断はほとんど介在しません。
したがって基準に合致さえすれば、融資を受けられる確率はかなり高いといえます。
それではどのような条件があるのかみていきましょう。
申し込み年齢が70歳未満
銀行の住宅ローンでは完済時の年齢が重視されますが、フラット35では申込時の年齢が70歳未満であれば可能です。
しかも親子リレー返済の場合は、70歳以上でも可能になります。
国籍
日本国籍を有している人、永住許可を受けている人もしくは特別永住者人が対象になります。
返済負担率
すべての借入れ金について、年収に占める年間返済額の割合が、次の基準を満たす必要があります。
1.年収400万円未満……30%以下
2.年収400万円……35%以下
たとえば年収が380万円の人の場合、フラット35の返済額と合わせて自動車ローンやカードローンなどの返済額が年間114万円を超えるのであれば、融資を受けることはできません。
借入対象となる住宅
住宅の仕様を住宅金融支援機構が定めた技術基準に適合させる必要があります。
また一戸建て住宅の場合は、延べ床面積が70平方メートル以上、マンションなどの共同住宅では、30平方メートル以上であることが求められます。
借入期間
借入期間は15年以上で、上限は「80歳-申込時の年齢」になります。
ただし最長は35年です。
たとえば50歳の人であれば、15年~30年を融資期間として選択できます。
団体信用生命保険
原則として、団体信用生命保険に加入する必要があり、万が一借入人が死亡した場合は、融資の返済は不要になります。
ただし、健康上の理由などで生命保険に加入できない人であっても融資を受けることはできます。
フラット35は、かつて団体信用生命保険は別途保険料の支払いが必要でしたが、現在では、金利の中に含まれる方式に変更されました。
これは民間の住宅ローンと同様のシステムですから、単純に金利の差で負担額の比較ができます。
保証人
保証人は不要です。
フラット35への借換えはできるのか
フラット35は、民間の金融機関が提供する住宅ローンに比べていろいろな面でメリットがあることが分かりました。
それでは銀行の住宅ローンを借りている人が、フラット35に借換えすることはできるのでしょうか?
実はいくつかの条件をクリアすれば借換えは可能なのです。
フラット35に借換えする際の条件をみていきましょう。
借換え対象者
住宅ローンの借り入れ日から借換融資の申込日まで1年以上経過していて、過去1年間きちんと返済している人が融資の対象者になります。
対象となる住宅ローン
申込者本人が所有し、かつ本人もしくは親族が住む住宅のためのローンの借り換えであることが必要です。
投資物件のためのローンの借換えはできません。
また住宅の建設費または購入価格が1億円以下であり、当初の住宅ローンの借入れ額が8千万円以下であることが条件になります。
対象となる住宅
対象となる住宅は、住宅金融支援機構が定めた技術基準に適合していなければなりません。
まとめ
ここまでフラット35の金利や融資条件、さらには借換えの条件について説明をしてきましたが、いかがでしたでしょうか。
フラット35の融資を受けた住宅は、建物の性能について第三者機関の厳しい検査をクリアする必要があります。
それだけにフラット35の融資が受けられる住宅は高品質の住宅であることを保証されているのです。
住宅の購入を検討されている方は、ぜひフラット35の活用も検討してみてください。
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