家を建てる費用の平均相場や内訳・土地なし・ありの違いまでプロが完全ガイド

マイホームを持つことは人生で一番高い買い物と言われ、特に注文建築は建売住宅や分譲マンションの購入よりもお金がかかります。

建築計画、資金計画ともに慎重に立てることが大切です。

十分な計画を立てるには、家を建てるにはどれくらい費用がかかるのか、自分たち家族の収入や生活ならどれくらいの費用をかけられるか、また資金計画を立てるためには何を目安にすればいいのかを知る必要があります。

今回の記事では、不動産のプロの目線で解説をしていきますので、ぜひ参考にしてください。

また、これからハウスメーカー選びを始めようとしている人に、1点だけ先にお伝えしておきたいことがあります。

それは、ハウスメーカーを選ぶ際には、事前の情報収集がもっとも重要であるということ。

CMでよく見かけるハウスメーカーや、たまたま住宅展示場で見て気に入ったハウスメーカーがあった際に、しっかりと比較しないまま依頼をしてしまう人がいますが、絶対にやめましょう。

最初から偏見をもって選んだハウスメーカーや、しっかりと比較していない段階で良いと感じたハウスメーカーを勢いで選んだ人の大半は、後悔することになってしまいます。

住宅の購入は人生で一番高額な買い物ですから、焦らずしっかりと時間をかけて、依頼するハウスメーカー選びをしましょう。

とはいえ、日本には本当にたくさんの住宅メーカーがありますから、すべてを1つずつ検討することは不可能です。

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それではここから、注文住宅の建築費用について詳しく解説をしていきましょう!

家を建てる際にかかる費用は、平均総額3,750万円

毎年発表されるフラット35の利用者調査では、家の購入や建築のなかで土地あり、土地なし合わせた注文建築が、平均費用3,750万円と建売住宅や分譲マンション(都心のタワーマンションは除く)の購入に比べて最も高額です。

2018年フラット35利用者調査

どうして注文住宅はお金がかかるの?

建売住宅や分譲マンションと違いは「販売価格」として確定した金額が提示されています。

販売価格は値引きで低くなることはあっても、上がることはまずありません。

しかし注文建築で家を建てる場合は、建てる家の工事内容や工事にかかる期間等によって、金額も変化します。

「家を建てる際にかかる費用」というと、家本体だけの工事費用だけのように思われますが、注文建築で家を建てる場合は、家本体の工事費用だけでなく。

様々な費用がかかります。

注文建築で家を建てるために必要な費用は、次のとおりです。

①本体工事費用

家の基礎工事、木工工事、屋根や外壁の工事、建具や内装工事等「家本体」を建てる工事です。

家づくりの総費用の約75%は、家本体の工事費用です。

ハウスメーカーや工務店等では「坪単価」や「㎡単価」として表示されていますが、本体工事費のみを指していて、付帯工事費用は別途必要になりますので注意が必要です。

②付帯工事費用

家は、本体を建てただけでは「生活できる家」にはなりません。

一見家の建築費用に含まれていそうな照明器具工事、カーテン工事費、空調工事も建築費用とは別の「付帯工事」費用になります。

またガレージや門扉も付帯工事に含まれるので、別途費用が必要です。

その他にも、職人さんが使用する仮設トイレ代や建築工事中に使用する電気代、水道代も施主側が負担することになります。

さらに追加で工事が必要になれば「追加工事費用」もかかります。

付帯工事費用は、総費用の約10~20%が目安です。

4,000万円の家を建てるなら、最低でも約400万円は付帯工事費用がかかると見積もっておいた方がよいでしょう。

注文建築における各種工事の費用の目安は「あって無いようなもの」です。

家を建てる時は「せっかく家を建てるのだから」と意気込んで、内装や材質、デザインにこだわったり、いろいろなオプションを追加したくなったりします。

デザインや内装、建材、壁や屋根の色、浴室乾燥のオプション等はこだわればこだわるほど費用がどんどん膨らんでいきますので、予算をきちんと決めなければ、際限なく建築費用が上がってしまうことになります。

個性的な外観、間取りを求めるならデザイン料がかかることも

間取りだけでなく外観も、自分たち家族の好みに合わせて自由にデザイン、設計してもらえるのも、注文建築ならではの大きな醍醐味です。

家の外観のデザインはハウスメーカーや工務店が自社で持っているデザインから選べば無料になりますが、別途建築家に依頼すると、建築費用のおよそ2~3%のデザイン料がかかります。

例えば4,000万円の家を建てるなら、約80万円のデザイン料がかかる計算です。

「注文建築ならではのオリジナリティあふれる凝ったデザインの家にしたい」という希望があるなら、デザイン料も予算に入れておきましょう。

「諸費用」も忘れずに

家本体の建築工事費用、付帯工事費用のほかに住宅ローンの申し込みに必要な費用、登記代、引っ越し代等様々な事務費用、いわゆる「諸費用」がかかります。

諸費用には総費用の5%程度の金額を見込んでおきましょう。

4,000万円の注文建築なら、200万円は用意しておけばまず安心といえますが、注文建築に限らずマイホーム購入には予想外の出費が必要になることがありますので、余裕を持って準備しておくことがおすすめです。

土地のある・なしによっても費用は変わる

建売住宅なら販売価格に土地の価格も含まれていますし、分譲マンションも販売価格に「敷地権」と呼ばれるマンションの部屋に応じた土地(底地)の持分価格が含まれています。

しかし注文建築の場合は、家の建築資金だけでなく、その他の工事費用、住宅ローンや引っ越し等の諸費用に加えて、「土地取得費用」を考慮する必要があります。

土地がある場合

もともと親が住んでいる実家を建て替える、親や親族が所有している土地を譲り受けて家を建てる等の場合は、土地購入の費用がかかりません。

土地購入費用が必要ない分家にお金をかけられますので、前述のフラット35利用者調査でも、土地がある人の注文建築の方が、土地購入費用がかからない分低いと思いきや、最も高額となっています。

2018年のフラット35利用者調査では、土地購入が必要な注文建築は、全国平均価格で土地購入費用が1,335万円、建築費用の平均価額が2,777万円の合計4,112万円、毎月の返済額は113,300円です。

既に土地があって注文建築で家を建てた人の、建設費用の全国平均は3,390万円で、毎月の返済額は91,500円です。

家の建築費用は土地付きよりも500万円以上高額になっていますが、既に土地がある場合は、資金を全額建築に回せますのでより高額になる傾向は変わりません。

それでも毎月の返済額は土地付きよりも20,000円低くなりますので、土地ありの方が家を建てやすいといえます。

但しデメリットが1つあります。

「土地の場所が、自分や家族の希望する地域だとは限らない」ことです。

利便性が高く通学や通勤圏内に親や親族の所有する土地があれば申し分ありませんが、自分や家族の生活圏から遠く離れた地域や他府県に土地があるのなら、いくら土地代がかからないとはいえ、家を建てるのは現実的ではありません。

結局は土地探し、購入してから家を建てることになるでしょう。

土地がない場合

親族から譲り受ける等土地がない場合は、自分の力で土地を用意しないと家が建てられませんので、土地購入の費用がかかります。

よほど資金が潤沢でない限り、土地購入の費用がかかる分、家の建築費用は抑えられることになりますが、土地購入のメリットは「自分で好きな場所を選べる」ことです。

実家の土地や親族が持っている土地は、場所が決まっていますので周辺がどんな状況であろうと目をつぶるしかありません。

しかし土地を購入して家を建てる場合、もちろん子供の学区、通勤圏、予算等の制限はありますが、自分たち家族の生活に最適で、しかも価値が下がらない土地を探して選べる自由があるのです。

土地の値段は地域差が大きく、学区が良くて人気の地域や駅から近い、スーパーや病院等生活に必要な施設が近隣に揃っている等、条件が良い土地や都市部の地域は値段が高くなっていて下がらない傾向にあります。

反対に駅から遠い、郊外、利便性が悪い土地は人気が低く、当然値段も下がります。

「不便でもいいから広い土地に家を建てたい」とういう希望があるなら、郊外の広い土地が手に入りやすい時代であるといえます。

しかし日本は人口減少時代に入り、今後ますます利便性の良い都心部や人気エリアでない限り、不動産の価値は下がっていく傾向にあります。

家は建築年数が建つごとに古くなっていき価格が下がるのに対し、土地は利便性がよい、なかなか売り物件が出ない人気エリアで希少価値がある土地等は、何年経っても価値が下がりません。

予算や生活圏等の制約はありますが、せっかく選べる自由があるのですから、なるべく価値が下がらない「資産」となる土地を購入することをおすすめします。

自己資金+住宅ローンが注文建築の資金源

一般的に家を建てるに限らず、分譲マンションの購入でも中古住宅の購入でも、

千万円単位の高額なお金がかかりますので、自己資金だけでは足らないことが多く金融機関で住宅ローンを利用して資金をまかなうことになります。

十分な自己資金を準備できれば借り入れをする必要はありませんが、現実には資金全額を自己資金で用意できる人は数少ないものです。

自己資金は建築資金の2~3割用意できればよいですが、前述のように家の建築には、建築工事費用のほか住宅ローン借り入れの際の事務費用、引っ越し費用、新居の家具や家電費用等の「諸費用」がかかります。

自己資金を2割用意しても諸費用には建築費用の1割がかかりますので、やはり建築資金の多くは住宅ローンでまかなうことになるでしょう。

住宅ローンは、何十年単位の長い期間をかけて毎月返済していくことになるものです。

ローンの全額返済が終わらない限りは、自宅といえども完全に自分の所有物ではありません。

ローンの返済が滞る、返済が不可能になると、自分の意思とは無関係に競売にかけられて自宅を失うことになってしまいます。

長い年月の間には、様々な変化が起こります。

給与が上がって収入が増える等の良いことだけではありません。

子供が進学する年齢になれば教育費がかかります。

転職して給与が下がる、家族が病気になる等のことも起こり得ます。

現在の収入や家族構成、生活だけで住宅ローンの借入や返済額を決めるのはリスクが高いのです。

高額の住宅ローンを長期間安定して返済し続けていくためには、慎重な姿勢で資金計画を立てる必要があります。

予算を決める際に重要なのは「返済比率」

一般的にローンを借り入れる際は「年収の5倍まで」が安全に返済できる金額だといわれています。

「年収の5倍」の単純計算なら年収500万円なら2500万円、年収1,000万円なら5,000万円、年収2,000万円なら1億円の借入が理論上は可能なので、相場だと考えられるかもしれません。

しかし年収の5倍までなら大丈夫と安易に考えて単純計算で住宅ローンを組むと、家を建てた後の生活が苦しくなる可能性が高くなると言ってもよいでしょう。

日本中の、年収が同じ世帯が、全て同じ収支状況ではありません。

平均的な収支の金額はあるかもしれませんが、実際は生活状況、家族構成、貯蓄額等で、世帯によって収支内容は大きく差異が生まれます。

また年収が高ければ、生活が楽で豊かかといえるかというと、そう単純な話でもありません。

住んでいる地域、家族構成、家族の年齢等様々な要素によって、生活に必要な金額は変わります。

よくいわれることですが、「年収1,000万円」というと一般的な感覚では高収入の部類に入りますが、東京の都心で暮らす場合は決して高収入世帯とはいえません。

年収別の相場を基準に、注文建築の予算を立てて借り入れを行うのはリスクがありますので、「年収の〇倍まで」よりも最も重要視するべきなのは「返済比率」です。

家を建てる予算を組む場合、年収や借入可能金額からではなく「返済比率」を元に予算を割り出すことが大切です。

返済比率が適正でないと、たとえ年収の2倍の借り入れであっても返済が苦しくなり、最終的には住宅ローン破たんしてマイホームを失う可能性が高くなります。

返済比率とは

返済比率は「返済負担率」ともいい、マイホーム建築で資金計画を立てるうえでの重要な要素で、次の計算式で算出します。

1年間に支払う住宅ローン返済額÷年収×100=返済比率(返済負担率)

年収は、所得税や社会保険料等を差し引く前の、いわゆる「税込み年収」です。

年間のローン返済額には、住宅ローンの返済額だけでなく、マイカーローン、クレジットカードの分割払いや、携帯電話の端末の分割払い等も含みます。

一般的には25%までが、適正な返済比率だといわれています。

年収別の返済比率に基づく可能借入額は、次の表のとおりとなります。

【返済比率に基づく可能借入額】

年収 返済比率20% 返済比率25%
    400万円 2,231万円 2,789万円
    500万円 2,789万円 3,486万円
    600万円 3,347万円 4,183万円
    700万円 3,905万円 4,881万円
    800万円 4,462万円 5,578万円
    900万円 5,020万円 6,275万円
    1,000万円 5,578万円 6,972万円

返済比率が5%大きくなると、借り入れられる金額は500~1,400万円増えますが、毎月の返済額も当然増えることになります。

返済比率に基づく1ヶ月の返済額は、次の表のとおりです。

【返済比率に基づく毎月の返済額】

年収 返済比率20% 返済比率25%
    400万円 66,667円 83,333円
    500万円 83,333円 104,167円
    600万円 100,000円 125,000円
    700万円 116,667円 145,833円
    800万円 133,333円 166,667円
    900万円 150,000円 187,500円
    1,000万円 166,667円 208,333円

「返済比率に基づいて出した金額=自分たち家族の相場価格」がわかると、「年収が〇〇円で、現在の生活や将来を考えたら返済比率が〇%だから、予算は〇〇千万円くらいなら大丈夫だろう」と決めることができます。

理想の返済比率は20%以内

金融機関の住宅ローン審査での返済比率は「25%」ですが、家を建てた後、住宅ローンを毎月支払いながらも余裕ある生活を送るために理想的な返済比率は「20%」以内だと言われています。

2018年フラット35利用者調査でも、注文建築した人の返済比率は20.3%、土地購入して注文建築した人でも返済比率は23.7%と、適正といわれる返済比率の枠内に収まっています。

賃貸物件と違って、持ち家は固定資産税が毎年課税されますし、補修、定期点検等ローン支払い以外の費用が発生します。

注文建築は、2年、5年ごと等定期的に施工会社による住宅点検があるのが一般的で、10年ごとに外壁や屋根の修繕等100万円単位の大掛かりな修繕を求められます。

修繕は必須ではありませんが、行わないとメーカーの次の20年保証が受けられなかったり、補修を先延ばしにすることによって傷みが酷くなり、高額の補修費がかかったりする等のデメリットが発生します。

ローンの返済額だけで資金計画を立てると、後々必要になる費用が足らなくなって困ることになります。

またローンの支払に追われてゆとりがなくなると、せっかく家族理想の家を建てたのに生活が楽しめず、何のために家を建てたのかわからなくなるという本末転倒な事態に陥ることにもなってしまいます。

様々な負担、変化が予想されるなかで住宅ローンを利用するなら、返済比率は上限の25%よりも抑えたほうが賢明だといえるでしょう。

ローンの返済期間中に、子供が生まれる、進学、親の介護等出費が増える可能性や、転職等で生活スタイルが変わって支出が増える事態も考えられます

働き方改革で残業代が減った、子供の進学費用が必要になった、親が認知症になって介護の手間がかかるようになり思うように働けない・・・思わぬ変化で家の建築時には「大丈夫だろう」と思っていた返済金額が負担になって、住宅を手放さざるを得なくなるケースが増えています。

「今払っている家賃の金額で家が建てられます」といった甘い言葉に乗せられず、自分たち家族の現状や将来をよく考えて、「ローンの支払額」を差し引いても毎月少しでも貯蓄していけるような資金計画を立てることが、今後より重要になってくるでしょう。

住宅ローン審査でも返済比率は重要視される

金融機関で住宅資金を借りようとすると、借り入れ審査に通る必要があります。

審査の基準は金融機関によって異なりますが、年収が低くても、住宅ローン審査で重要視される次の3つの条件に該当しなければ借り入れは可能だといえ、返済比率も条件に含まれています。

①過去の借入履歴に「事故」歴がない

金融機関やクレジット会社は、自社の利用者の借入履歴や返済履歴の膨大なデータを持っており、同業他社と相互に共有しています。

たとえ少額であっても、過去に1度でも返済が滞ったことがあれば「事故履歴」として管理履歴に残ります。

金融機関に住宅ローンの利用を申し込んだ際、まず過去の借入歴や返済歴を調査されます。

金融機関での借入だけでなく、クレジットカードの支払状況、車のローン、スマホの通話料金の支払状況等、全ての借入履歴が審査対象になります。

事故履歴があると、たとえ年収が高くても住宅ローン審査に通るのは極めて難しくなりますので、年収が低い場合はなおさら注意が必要です。

②安定した職業に就いているか

年収額が多いことは有利ではありますが、住宅ローン審査では年収よりも安定が重要視される傾向にあります。

住宅ローンに限らず、融資審査で公務員が圧倒的に有利なのは、年収が低くても一般の会社のように倒産する心配がなく、生涯にわたって安定が保証されているからです。

逆に収入が不安定な自営業だと、いくら年収が数千万円であっても借入れられる金額が少なくなったり金利が高くなったりと、融資面では不利になります。

③返済比率が規定の範囲内か

住宅ローン審査における返済比率は一般的に「25%」が上限と規定されており、25%を超えると家計が圧迫されて赤字、ローン返済が厳しくなってくる可能性が出てきますので、審査通過が難しくなります。

住宅ローンを利用できるめどが立たなければ、工事の着工はもとより建築計画すら立てられなくなります。

注文建築を考える場合は「自己資金」の準備を

注文建築に限りませんが、マイホームを持つことを考えた際に、必要資金を全て住宅ローンでまかなおうとするのは、現在ではとてもリスクが高い行為です。

返済期間はできるだけ短く、長くても65歳までに完済できるようゴールを定めてなるべく借入額は抑える方が、将来楽で安心になります。

借入額を抑えるためには、自己資金をどれだけ準備できるかがポイントです。

前述の2018年のフラット35利用者調査でも、注文建築した人の全国平均の建設費は3353.5万円(土地取得費用の平均を含む)です。

建設費のうち、手持ち金(自己資金)は土地ありの場合636万円で建築費用の約20%、土地購入の場合は447万円でやや下がるものの、やはり概ね10%以上は用意していることになります。

自己資金を準備するメリット

自己資金を準備すれば、借入金額を少なくできるので毎月の返済額を無理のない金額に抑えられ、返済期間も短くできるメリットがあります

家を建てるときには、家を建てる工事自体が数千万円単位の出費なので、家具や家電の金額が少額に思え、家具も新しくしたい、最新の機能の家電に買い替えたい等つい出費が増えがちなので、くれぐれも「必要な金額のみ借りて欲張らない」ようにしましょう。

また自己資金を用意していると、住宅ローンを利用する金融機関によっては借り入れの際にもメリットがあります。

ソニー銀行の住宅ローンは、自己資金10%以上準備していると、金利が安くなる商品があります。

ソニー銀行 住宅ローン

フラット35取扱のARUHIも、自己資金の額に応じて金利が安くなる商品があります。

ARUHI 住宅ローン

自己資金を用意しなくても、資金を全額住宅ローンでまかなえる金融機関が珍しくなくなった現在に、自己資金を準備すれば金利優遇という商品を銀行が出した理由には、やはり将来の不透明さがより顕著だからだといえます。

年功序列で毎年昇給する、終身雇用が当然だった時代には、安定した給与や雇用が保証されていたので、長期の住宅ローンを組んでも将来支払えなくなる心配は殆どありませんでした。

しかし非正規雇用が増え、終身雇用制が崩れつつある近年、安定して長期の住宅ローンを組むのは難しい時代になっているといえます。

働き方改革で残業代が減ったことで、資金繰りが苦しくなって返済に行き詰り、マイホームを手放すケースも増えています。

転職も珍しくなくなりましたが、給与が上がる転職は20~30代でないと難しく、40代以降での転職で給与が上がる転職はかなり厳しいのが現実です。

「減給やリストラなんて自分には関係ない」と思わず、備えておくことが大切です。

自己資金を貯金で毎月こつこつ貯めていくのは王道の方法ですが、ある程度の金額に達するにはやはり時間がかかります。

貯めるための時間を短縮できる方法をご紹介します。

早く自己資金を用意するのに有効~親や祖父母からの贈与制度

勤続年数が短い20代や30代にとって、数千万円の建築資金の10~20%もの貯金には時間がかかるのが普通で、貯まるのを待っていると、家を建てる夢を実現するのが遠くなってしまいます。

しかし両親や祖父母から家の建築資金を援助してもらうことができれば、建築計画も大幅に前進して家を建てる夢を実現できる時期が早くなります。

肉親からの高額の資金援助は、借入を除いて「贈与」だと税務署に認定されると、贈与税が課せられます。

但し2021年12月31日までの間に、父母や祖父母等から住宅用の資金の贈与を受けて、贈与を受けた年の翌年3月15日までに家を新築した場合、一定額が贈与税免除になります

贈与税は税率が高いので、住宅資金の税制優遇制度はぜひ利用したいお得な制度です。

主な概要は、次の表のとおりです。

住宅用家屋の新築等に係る契約の締結日 省エネ等住宅 左記以外の住宅
平成31年(2019年)4月1日~平成32年(2020年)3月31日 3,000万円 2,500万円
平成32年(2020年)4月1日~平成33年(2021年)3月31日 1,500万円 1,000万円
平成33年(2021年)4月1日~平成33年(2021年)12月31日 1,200万円 700万円

資金の贈与を受ける側も、

①贈与を受けた年の1月1日時点で20歳以上であること

②日本国内に在住していること

③贈与を受ける年の所得が2,000万円以下であること

④贈与の翌年の3月15日までに住宅の引渡しを受けすぐに居住を始めること

等、様々な条件がありますので、注意が必要です。

通常の贈与も活用しよう

住宅取得資金と限られた用途ではなく、1年間に110万円までの資金贈与には贈与税が課税されません。

毎年110万円までの金額の贈与を受けて建築資金を貯めていく、というのもお勧めの方法です。

110万円の枠をうまく利用して援助してもらえれば、建築資金だけでなく、引っ越し費用や新居での家具や家電購入費用等に充てることもできます。

必ず専門家に相談、確認を!

贈与税が免除可能な資金援助かどうかは、税理士等専門家にきちんと確認しておきましょう。

贈与税は税率が高いので、免除されずに贈与税が課されると大きな負担になります。

税制度は複雑かつ頻繁に改正が行われますので、自分で得た知識だけで判断するのではなく、必ず専門家に相談、確認することが大切です。

消費税増税による、住宅資金援助措置も見逃すと損です

他にも2019年10月に消費税が10%に上がることにより、住宅ローン控除の3年間延長(2020年3月31までに住宅を取得することが必要)等優遇措置があります。

以下のリンクでご確認ください。

消費税10%に対応した住宅関連税制とすまい給付金

期間は決まっていますが、利用しない手はありません。

「財形住宅貯蓄制度」が利用できれば活用しよう

ビジネスパーソンの場合、勤務している企業が制度を導入していて且つ財形住宅貯蓄の利用契約時に55歳未満であることが前提になりますが、「財形住宅貯蓄」も、効率よく自己資金を貯められる制度です。

毎月のお給料から天引きされる形式で住宅資金を積み立てていき、積立期間が1年以上で積立金額が50万円以上になれば、財形住宅貯蓄と連動した「財形住宅融資」が利用できます。

借り入れ可能な金額は財形住宅貯蓄の残高の10倍(上限4,000万円)までで、借入時の融資手数料や保証料は不要です。

金利は5年ごとに見直されますが、比較的低金利なので安定した返済が続けられます。

勤務している企業に財形住宅貯蓄制度があれば利用しない手はない、といってもよいでしょう。

住宅ローンも「借金」であると認識しよう

日本では、住宅ローンを利用して家を建てたり購入したりするのが一般的でごく当たり前のことなので、住宅ローンを利用することに対しての意識のハードルが低いのですが、住宅ローンも「借金」です。

住宅ローン返済中でも、建てた家の所有権は自分にあり「持ち家」だと堂々と言えますし、日常生活に何の支障もありません。

しかし厳密に言うと、ローン返済中は完全に自分の所有物ではありません。

建てた家と土地には、住宅ローンを利用した金融機関によって、「抵当権」という自分の所有権を奪うことができる強力な権利が付けられています。

抵当権は強力な権利で、ローンの返済が滞ると、最終的にはローンを利用した金融機関に、「抵当権の実行」という形でせっかく建てたマイホームを強制的に競売にかけられて売却されてしまうのです。

「住宅ローンも借金」「ローンを完済するまでは、他人が自分の家を処分する権限を持っている」という意識を持つことが大切です。

借りられる額と返せる額は違う

住宅ローンを利用する際によく言われるのが、「借りられる額と返せる金額は違う」ということです。

金融機関はより多くの金額を貸し出すと収益が上がるので、年収が高いいわゆる「属性が高い」人にほどお金を貸したがります。

多額の金額が借りられるということは、自身の社会的信用度が高い証でもあり、悪い気はしないでしょう。

しかし年収2,000万円で1億円を借り入れできたとしても、長期にわたって返済が滞りなく行えることを保証してくれるものは、何もないのです。

人生には何が起きるかわかりません。

現在夫婦共働きでも妻が妊娠出産で仕事を辞める、時短勤務や転職で給与が下がる、子供が増える、両親の介護が始まる等、様々なことが起こり得ますし、一旦上げた生活レベルは、なかなか下げることはできません。

必要以上に将来の心配をする必要はありませんが、やはり「変化を予想して備える」ことは大切です。

余裕の無い返済計画では、将来変化が起こったときに対応できずたちまち返済に困って行き詰る可能性が高くなります。

現在(2019年9月現在)は、低金利で住宅ローンが借りやすい状況ですが、利息は少しずつではあるものの上昇傾向になっています。

たとえ低金利であっても、住宅ローンは元本の額が高く結果的に総返済額は大きくなりますので、「借りやすいから」「低金利だから」と、必要以上の金額の借入は絶対にしてはいけません。

また消費税の10%への増税は、前回の3%増税時に比べると増加率は2%と低く食料品には軽減税率が導入される、ポイント還元等各種の措置がありますが、生活に影響が出ることは否めないといってよいでしょう。

自分と同じ年収の人が、年収の5倍の金額を借り入れて家を建てたからといって、同じような金額の借り入れをして家を建てる必要は全くありません。

家族が快適に、そして安心して暮らせる家を建てることが大切なのです。

「安心に長く暮らせる家」とは家そのものの間取りや性能だけでなく、経済面で家族に負担にならないことも含まれます。

住宅ローンの破たんは自分だけでなく、進学を諦めざるを得なくなる等子供達家族の人生にも大きく影響を与えます。

年収の何倍までなら安心、ではなく自分や家族の生活、ライフプラン、将来予想される変化等をよく考えて「返済比率」に重点を置いて資金計画を立てることが、長期にわたって安定してローンを返済できるポイントです。

必要以上の資金は借りない、身の丈にあった借入れをすることが大切です。

おわりに~「平均」や「他者と比べる」のではなく、自分たちをよく見ることが重要

自分たち家族の理想の家を建てることは、生活や人生が充実する大きな喜びを得られる半面、何十年にもわたって住宅ローンを返済していくことでもあります。

住宅ローンが返済できないことは、自分だけでなく家族、子供達にも大きなマイナスの影響を与えます。

家を建てることは、ゴールではありません。

家を建ててから、生活が始まり人生が充実していくのです。

「年収〇百万円の人の建てる家の金額の相場は、〇千万円だから」や「職場の同期入社の〇〇さんが△千万円の家を建てたから、自分も同じ程度の家を建てないと恥ずかしい」等、世間の平均や他者と比べて「じゃあ自分も」といった安易な気持ちでは、絶対にしてはいけません。

「家を建てて本当に良かった」と心から満足できるように、自分と家族の現在と将来をよく考え、想像してから臨むことがなにより大切です。

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