建売住宅のキッチンは使いにくいだろうと考えている人は多くいます。
注文住宅と違って、完成済みの建売住宅は自分で自由にキッチンの配置や仕様を決めることができないからです。
しかし、建売住宅のキッチンは少しの工夫で、快適で使いやすいキッチンへと変えることができます。
本記事では建売住宅のキッチンの仕様や設備について、さらには簡単にできるキッチンアレンジやオプション工事について説明します。
キッチンをより快適にして、建売住宅での素敵な暮らしを実現しましょう。
ぜひ参考にしてみてください。
建売住宅のキッチン設備や仕様はどうなっている?
建売住宅を検討するときに、キッチン周りの設備や仕様が気になりますよね。
建売住宅は本体価格が安いため、キッチン設備が安物で使いにくいと考える人も多いです。
そこで、こちらでは建売住宅の設備や仕様について説明します。
建売住宅のキッチン仕様は?
建売住宅のキッチンの仕様は、決して悪いものではありません。
建売住宅のキッチングレードは、一昔前に比べるとかなり品質が高くなったからです。
なぜなら、平成12年に施行された「品確法」により、新築住宅の住宅性能等を第三者が評価する制度が始まったからです。
具体的には、新築住宅の耐震性や耐久性、利便性や省エネ性などの項目で、各新築住宅が評価され、その評価書を顧客に開示するように変わりました。
そのため、建売住宅の品質が大きく向上し、キッチンのグレードもかなり高くなったのです。
例えば、建売住宅のキッチンはシステムキッチンになっており、シンクにコンロ、調理台が全て一体となっているキッチンです。
カウンターは人工大理石を使用し、油跳ねを守るキッチンパネルや、食器洗いに便利なジャンボシンク仕様になっています。
注文住宅のグレードよりは低いですが、キッチンの品質としては住むのに十分な仕様となっています。
キッチンの高さや幅は?
建売住宅のキッチンの高さや広さがこちらです。
キッチンの高さ | 85㎝~90㎝ |
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キッチンの幅 | 2,400mm~2,550mm |
作業スペースの幅 | 60㎝~90㎝ |
シンクの幅 | 60㎝~120㎝ |
コンロの幅 | 60㎝ |
建売住宅のキッチンの高さは、多くの場合が地面から85㎝の高さとなっています。
また、横幅は2,550mm規格のシステムキッチンであることが多いですね。
注文住宅もシステムキッチンを利用しているのですが、あまり高さや幅などに大きな違いはありません。
キッチンの収納が気になる!
キッチンの収納については、注文住宅よりも少ないですが、十分な収納スペースがあります。
というのも、注文住宅のシステムキッチンは価格が高くグレードの高いものを使用しているからです。
しかし、建売住宅にも吊り戸棚や床下収納といった収納スペースがある場合があります。
また、少しの工夫次第で収納を増やすことも可能なのが、建売住宅です。
次に、建売住宅のキッチンを快適にする工夫をお伝えします。
建売住宅のキッチンをより快適にする工夫3つ
建売住宅のキッチンをより快適にするために、簡単にできる3つの工夫について説明します。
オープンキッチンに目隠しを
オープンキッチンに目隠しをすることで、より快適なキッチンにすることができます。
建売住宅のキッチンは多くの場合が対面式のオープンなキッチンになっています。
対面式キッチンは、リビングなどを見渡せるため、お子さんを見守りながら料理ができるのがメリットです。
しかし、一方でリビングから丸見えなので、常にキッチンを清潔に保つ必要がありますね。
そこで、キッチンカウンターの部分に小さなボックスを並べることで、リビングからの目隠しにすることができます。
また、収納ボックスを目隠しにすることで、キッチン側の収納を増やすことにもつながるのです。
収納ボックスは高さ30㎝~40㎝くらいのものが、ホームセンターやニトリなどでも手に入りますので、手軽に安く建売住宅のキッチンをアレンジすることができます。
壁紙でビンテージの雰囲気に
建売住宅のキッチンを壁紙の変更だけで、雰囲気をビンテージ風に変えることも可能です。
建売住宅は基本的にシンプルなデザインや色合いになっているので、少し物足りないと感じる人がいます。
そこで、キッチンの壁紙を張り替えることでイメージを大きく変えることができます。
例えば、ビンテージ風の壁紙にすることや、カフェのような壁紙にすることで、料理が楽しくなるキッチンに変えることができるのです。
壁紙はオンラインショップなどで、500円~1,000円くらいで購入することができ、貼り付けも剥がすのも容易にできます。
建売住宅のキッチンをカフェや自分の好きな雰囲気に変えることができます。
シューズボックスをパントリー代わりに
建売住宅のキッチンにシューズボックスを置いて、パントリー代わりにすることもできます。
キッチンの収納が物足りない場合、キッチンにパントリーが欲しいと思う人も多くいます。
そこで、シューズボックスなどをパントリーの代わりにキッチンに置き、収納を増やす方法があるのです。
大きな食器棚を購入するのは予算もかかり、スペースも必要ですが、シューズボックスであれば狭いスペースでも置くことができます。
キッチンに手軽に収納スペースを増やしたいときに、おすすめの方法です。
建売住宅のキッチン選びで後悔した事例3つ
実際に建売住宅のキッチン選びで後悔した事例を3つお伝えします。
食洗機を設置したけど使わなかった
キッチンに食洗機を設置したけれど、使わなかったというケースがあります。
建売住宅ではキッチンのオプション工事として、食洗機を追加工事できる場合があります。
しかし、食洗機を設置したことにより後悔してしまうケースがあるのです。
具体的には、ビルトイン食洗機を導入する場合、システムキッチンの中に食洗機を埋め込みます。
そのため、キッチン内の収納箇所を自然と減らしてしまうのです。
毎日食洗機を利用するならいいのですが、全く使わないのに収納スペースを減らしてしまうのはもったいないですよね。
建売住宅のキッチンを選ぶときには、食洗機の有無など、必要な設備と収納のバランスを考えることが大切です。
キッチンの高さが自分に合わない
建売住宅のキッチンの高さが自分に合わず、毎回料理するのがつらいという事例があります。
建売住宅のキッチンの高さは85㎝が一般的ですが、これは身長160㎝の方にちょうどいい高さとなっています。
そのため、身長が170㎝や150㎝の方には高さが合わないことが多いのです。
毎日背中を丸めて料理することや、高いキッチンで無理して料理するストレスは、積み重なるとつらいですよね。
キッチン選びの際には自分に合った高さかどうか、よく確認してから選ぶようにしましょう。
収納が少ない
キッチン収納が少なくて失敗したという事例があります。
注文住宅に比べて建売住宅は収納スペースが少ない傾向にあります。
収納が必要な人だけはオプション工事等で取り付けができ、なるべく本体価格を低く設定しているからです。
例えば、建売住宅のオプション工事には吊戸棚の設置やカップボードの設置などがあります。
あらかじめ内覧時に必要な収納スペースを把握しておき、オプション工事の値段を考慮しておくことがポイントです。
また、DYIで収納を増やすことも可能です。
建売住宅のキッチンを内覧時にチェックする4つのポイント
建売住宅のキッチン選びで失敗しないためには、内覧時に利便性や品質をよく確認しておく必要があります。
キッチンは毎日使うところなので、使いにくいと毎日ストレスを抱えることになります。
せっかくの新居で、料理をするのが苦痛になるのは嫌ですよね。
こちらでは、内覧時のキッチンに関するチェックポイントを4つ説明します。
すべての設備の動作確認
キッチンの設備は必ず全て動作を確認するようにしましょう。
建売住宅の中には品質がよくない物件があり、入居後すぐに設備の不具合が生じることもあるからです。
例えば、お湯が出ないことや、収納扉がしまらない、蛇口から水が漏れているなどのケースが考えられます。
コンロや換気扇、水道などの設備はもちろん、収納扉なども全て一度は動かしてみて、異常がないか確認しておきましょう。
コンセントの位置
キッチンでは多くの家電製品を利用するため、コンセントの位置確認は大切です。
入居後にコンセントが足りない、もしくは家電製品が使えないとなると、大きなストレスを抱えてしまいます。
そこで、あらかじめコンセントの位置がどこなのか、確認が必要です。
もしコンセントが足りない場合でも、オプション工事でコンセントを増設することができます。
一般的には2口コンセントが2か所ありますが、1か所しかない場合は増設するのもおすすめです。
使いやすい広さ・高さかどうか
キッチンの内覧時には高さと広さが十分であるか確認しましょう。
高さが自分にあっていないことや、調理に十分なスペースがないと、毎日の料理がつらくなります。
実際に料理することをイメージしながらキッチンに一度立ってみて、丁度いい高さなのか、そして調理機材を置いても十分なスペースが残されているか確かめましょう。
IHかガスコンロか
IHかガスコンロのどちらが自分にあっているか確認しましょう。
なぜなら各家庭によって最適なコンロが異なるからです。
IHはガスを使わないため安全で、清潔感を保ちやすいのですが、火の強弱が難しいデメリットがあります。
一方のガスコンロは火力調整が容易なことや、調理器具を選ばないメリットがありますが、夏場の暑さや火の危険があります。
どちらが自分の家庭にあっているのか確かめてから、選ぶようにしましょう。
建売住宅のキッチンのメンテナンス方法
建売住宅のキッチンは、メンテナンスをすることで長く使うことができます。
清潔にして掃除や手入れをすれば、設備や器具の故障を防ぐことができるからです。
一般的に新築後10年~20年くらいで点検をすることが望ましいとされていますが、日々なるべく清掃を心掛けるようにしましょう。
設備が故障して全て入れ替えるとなると、80万円~100万円近くかかる可能性があります。
修理であれば、10万円~20万円で済むところが、故障してしまうと多額の費用がかかります。
購入後もこまめに手入れをし、10年前後で一度点検することがおすすめです。
建売住宅のキッチンにおすすめの4つのオプション工事と費用
建売住宅のキッチンは、オプション工事によって利便性を高くすることができます。
こちらで、おすすめのキッチンオプション工事を4つご紹介します。
カップボードの取付と費用
食器などを収納できるカップボードはおすすめのオプション工事です。
建売住宅のキッチンは元々収納が少ないので、大型の収納庫となるカップボードはかなり重宝します。
カップボードの取り付けは入居前がおすすめです。
なぜなら、入居後家電などを入れてからだと工事がしにくくなってしまうからです。
カップボードの取付費用は概算で30万円~50万円程となりますが、オプション工事のなかでも人気の工事となっています。
食洗機の取付と費用
食洗機は共働きの夫婦等、忙しい家庭に便利なオプションです。
仕事で疲れて家事をしたくないときでも、食洗機が負担を減らしてくれます。
食洗機の取り付けは、ビルトインタイプが一般的です。
しかし、ビルトインタイプはその分キッチンの収納部分を減らすため、合わせてカップボードや吊戸棚の設置などで収納部分を増やすのがおすすめです。
食洗機の取付費用は、概算で10万円~15万円かかります。
ガラストップコンロの取付と費用
ガラストップコンロの工事をすることで、清潔感を保つことができます。
ガラストップコンロとは、耐熱ガラスを用いたコンロのことで、汚れが落ちやすく清潔感を保ちやすいのがメリットです。
最近の建売住宅では標準装備となっているところが多いですが、オプション工事が必要なところもあります。
ガラストップコンロの取付費用は概算で10万円~15万円程です。
IHクッキングヒーター取付と費用
IHクッキングヒーターを設置することで、手入れの負担を減らし、火を使うリスクをなくすことができます。
小さいお子さんがいる場合は、ガスコンロの火は危険ですね。
しかし、IHクッキングヒーターであればお子さんの事故を防ぐことができ、なおかつ清掃がしやすいメリットがあります。
ただし、火の調節の難しさや専用の調理器具が必要であるため、デメリットとメリットをよく比較してから選ぶようにしましょう。
IHクッキングヒーターの取付費用は概算で10万円~15万円です。
建売住宅にはキッチン以外にもおすすめのオプション工事がある
建売住宅のオプション工事には、キッチン以外にもたくさんの選択肢があります。
こちらでキッチン以外にもおすすめのオプション工事をご紹介します。
室外のおすすめオプション工事
室外のおすすめオプション工事がこちらです。
- ウッドデッキ
- 人工芝
- カーポート
- バルコニーの屋根
ウッドデッキを設置すると、小さなお子さんをウッドデッキで遊ばせておくことが可能です。
また、バーベキューなどのアクティビティをすることも可能となります。
オプション工事費用は30万円~50万円ほどです。
人工芝は子供を庭で遊ばせることや、見た目の良さなどがポイントです。
オプション工事費用としては1平米で5,000円となります。
カーポートを取り付けることで、雨の日でも車から濡れずに室内に入ることができます。
夏の暑い日でも、車内の温度が高温になることを防いでくるのもメリットです。
オプション工事費用は10万円~20万円です。
バルコニーの屋根があると、鳥の糞や雨などから洗濯物を守ってくれます。
オプション工事費用は5万円~10万円程です。
室内におすすめのオプション工事
建売住宅の室内におすすめのオプション工事がこちらです。
- 網戸
- フロアコーティング
- シャッター
- 浴室換気乾燥機
建売住宅の場合、網戸やシャッターはオプション工事で取り付けするのが一般的です。
網戸がないと夏場換気する際に蚊や虫が家の中に侵入してしまいますし、シャッターがないと窓がすぐに汚れてしまいます。
網戸は1か所あたり5,000円~10,000円、シャッターは1か所あたり5万円~10万円です。
リビングなどのフローリングに、フロアコーティングするのもおすすめです。
小さいお子さんがいる場合や、ペットを飼っている場合、フローリングに汚れや傷がつきやすくなります。
リビングだけなら15万円~20万円、家全体の場合は40万円~50万円程かかるのが相場です。
浴室換気乾燥機があると、雨の日や梅雨のシーズンの洗濯物に便利です。
オプション工事費用は10万円~15万円程となっています。
建売住宅のオプション工事を選ぶときの注意点
建売住宅のオプション工事を選ぶときには注意点があります。
それは、オプション工事の予算をあらかじめ決めておくことです。
オプションを選ぶ際に、あれもこれもと選んでしまうと、すぐに予算を超えてしまいます。
オプション工事で高額の費用をかけると、せっかく安い価格で購入した建売住宅のメリットが薄れてしまいますね。
例えば、カップボードにカーポート、ウッドデッキに人工芝など多くのオプションを選ぶことで、オプション工事費用が数百万円を超えてしまいます。
新居購入時には引っ越し費用や税金、新しい家具家電費用など様々な費用がかかるので、引っ越し後の生活が苦しくなる可能性があるのです。
そのため、あらかじめオプション工事にいくらかけるかを、購入前に決めておき、総額の費用で建売住宅を選ぶことをおすすめします。
建売住宅の後悔しない選び方のコツ3つ
建売住宅の選び方で後悔しないためのポイントが3つあります。
資産価値のある物件を選ぶ
建売住宅は価格の安さだけでなく、資産価値のある物件を選びましょう。
なぜなら、将来売却時に大きな損をする可能性があるからです。
資産価値のない建売住宅を購入してしまうと、将来売却時に、想定していた売却価格よりを大きく下回る価格でしか売れない場合があります。
例えば、20年後に自宅を売却しようとしても、売却価格が低く、住宅ローンの残債を売却価格で補えない可能性もあるのです。
そうすると、自己資金から現金を使う必要があり、売却時に余計な費用がかかることとなります。
立地が良く、建物の品質がいい物件を選ぶことが大切です。
立地で妥協しない
立地で妥協しないことも大切です。
建売住宅の価格は立地が悪い場所の方が安くなりますが、立地の悪い場所は毎日の生活でストレスが溜まる可能性が高いです。
例えば、駅から遠い、大きな国道の目の前、周辺に買い物できる施設がない、といった立地のよくない物件は、日々の暮らしでストレスを感じてしまいます。
実際中古物件の売却理由で、立地が悪く生活環境が悪いと答える人が非常に多くいます。
つまり、新築購入時の立地は、今後の生活面で大きな影響を与えるため、立地選びを妥協することはやめましょう。
中長期的なライフプランを意識した価格を選ぶ
中長期的なライフプランを意識して、無理のない価格を選びましょう。
建売住宅を買って後悔する人に、多額の住宅ローンを組んでしまい返済がつらいという事例が多くあります。
具体的には、購入当初はローン返済ができたものの、子供が増えて教育費が上がったことで、返済が厳しくなったという事例です。
購入時に返済可能な住宅ローン金額ではなく、将来的に余裕を持った返済ができる金額を選ばなければいけません。
そのためにも、中長期的なライフプランを持ち、将来の子供や収支予測をしたうえで建売住宅を選ぶことが大切です。
まとめ
建売住宅のキッチン設備は、注文住宅に比べると収納が少ないといわれますが、工夫次第で収納箇所を増やすことができます。
また、オプション工事をうまく活用することで、より快適な暮らしを実現することも可能です。
ただし、大切なのは、中長期的なライフプランをもち、無理のない資金計画を立てることです。
将来の暮らしをよく考えて、建売住宅選びをするようにしましょう。
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