不動産取引の重要事項説明、「ネット解禁」検討へ/国交省


 政府のIT総合戦略本部(本部長=安倍晋三首相)は20日、不動産取引時の重要事項説明(重説)をインターネット上で可能にすることなどを含む行動計画を策定した。国土交通省は、メールやテレビ電話などで重説を代替できるかどうか検討し、2015年中に結論を出す。

 行動計画は、対面や書面交付を前提とする手続き・サービスのIT化を進めるのが狙い。重説のほか、国家資格にeラーニングの仕組みを導入することなど28項目について所管省庁に制度の見直しを求めている。

 不動産取引では、インターネットなど「対面以外の方法」で重説を行うための具体的な手法、課題への対応策を来年中に結論するよう求めた。併せて、契約時に交付する書面の電子化についても同様に検討することとしている。

 戦略本部の分科会が11月に開いた事業者ヒアリングでは、IT企業などでつくる新経済連盟(代表理事=三木谷浩史・楽天社長)が「市場活性化の阻害要因になっている」などと指摘していた。重説の見直しは不動産業界からも要望が強い。

 ただ、実質的な〝重説簡素化〟となる可能性もあるだけに消費者保護の立場からは抵抗も予想される。メールなどの場合、宅建主任者に成りすまして、重説を行う違法行為をどう防止するかといったことも実現に向けた論点となる。

 国土交通省不動産業課は「(テレビ電話など)擬似的な手法を用いた重説は可能性としてはありうる。ただ、さまざまな立場があり、時間をかけて議論する必要がある」とし、早急な結論には否定的な姿勢を示した。

 宅建業法では、住宅の購入者などに対し、主任者が重説書を交付し説明することを義務付けている。ただ、条文に「対面で行う」旨の表記はなく、「仮にITを活用した重説を可能にする場合、必ずしも法改正の必要はない」(同)

 行動計画は来年6月に中間報告、年内の結論を求めている。国交省の検討スケジュール、検討の場など詳細については未定。


公開日: 2013年12月24日