Jリートに公的不動産 自治体へ活用促す/国交省が夏に検討会


国土交通省は、Jリートが公的不動産(PRE)を運用する際の課題について検討する。JリートをPREの受け皿とすることで、遊休・老朽化した不動産の有効活用を促すとともに、財政ひっ迫に悩む自治体の財務体質改善を図る。夏に有識者でつくる検討会を発足し、2015年度に報告書をまとめる。

自治体などが所有するPREの資産規模は約580兆円(政府推計)にのぼり、不動産投資に適したものが少なくない。検討会では、すでに開発された施設などをJリートが取得・運用する際の課題を検討する。

投資対象として想定するのは庁舎に併設した賃貸マンションなど。

近年は自治体の財源不足を背景に、公共施設の建て替えに民間から資金を呼び込み、賃貸住宅などを併設して資金を捻出するケースが増えている。民間出資の出口戦略としてJリートを活用することで、こうした事例を増やす狙いがある。

現在でも、JリートやファンドによるPREの取得事例はある。産業ファンド投資法人が昨年取得した「IIF神戸ロジスティクスセンター」は、もとは神戸市が事業法人に貸し付けていた市有地だった(建物は事業法人から取得)。同社は広島でもPRE案件の実績がある。

こうした事例がある一方で、PRE戦略への対応は自治体によって温度差がある。検討会で国が課題を洗い出し、不動産活用の旗を振ることで自治体側のニーズを呼び起こす。

検討会では、定期借地権を活用したJリートへの資産譲渡などが論点になる見通し。国交省は来年度にまとまる報告書を踏まえ、PRE活用に向けたガイドラインの策定も視野に入れる。

国交省が08年に全国の自治体に対して実施したアンケートによると、PREの合理的利用について「必要性を感じている」とする回答は全体の98%超にのぼった。

ただ、何らかの対応を「すでに実行している」としたのは15%弱にとどまり、PRE戦略の必要性を感じながらも取り組みは遅れている実態が浮き彫りとなった。

PRE活用の課題についてたずねた質問では、「資産活用に関するノウハウ、アイデアの不足」が64.4%でトップだった。次いで「資産活用の検討を行う人材、体制の不足」(50.0%)、「保有資産の現状や資料の未整備」(41.5%)が上位を占めるなど、アセットマネジメントをはじめとしたノウハウ不足を実感する声は多い。


公開日: 2014年4月21日