中古住宅・空き家フォーラム開催/住宅ストックのフロー化で経済成長へ


 中古住宅・空き家フォーラム実行委員会(伊藤博委員長)は5月18日、国土交通省の後援を受けて「宅建業法改正でストック活用に新潮流」と題してフォーラムを開催した。同フォーラムでは、日本総合研究所の高橋進理事長が「今後の日本経済と中古住宅流通市場」と題して基調講演し、国土交通省土地・建設産業局長の谷脇暁氏が「不動産流通政策の展望」をテーマに特別講演を行った。

 高橋理事長は、「これからはフローで見た需要ではなくストック活用で需要を作る必要を訴え、「民間には住宅という大きなストックがあるが、現状、住宅ストックは目減りする一方だ。20年で住宅価値がゼロになるのは世界では極めてめずしい」といい、家計の資産をフロー化することで消費の活発化や将来の不安軽減につながるとした。

 谷脇局長は、宅建業法の改正について「住宅の取引でインスペクション(建物調査)を実施した場合、重要事項説明のときに説明義務を課すのが肝。建物調査を法制化することで質の高い住宅につながり、流通活性を実現する」と期待した。

 委員長で全国宅地建物取引業協会連合会の伊藤会長も「欧米に比べ中古住宅の流通量は少ない。日本の住宅は築20年で建物価値がゼロになり、買い主にとっては何年使えるかや、なにか瑕疵が見つかった場合の不安がある。これが中古流通を阻害している」とあいさつし、今国会で成立見通しの建物調査の活用を促す宅建業法改正により売り主と買い主が安心して取引できる環境整備の実現に期待感を示した。

 国土交通大臣の石井啓一氏と、自由民主党の住宅土地・都市政策調査会長の金子一義氏も駆け付けた。石井大臣は「今年3月に改定した住生活基本計画で既存住宅流通の市場規模を4兆円から8兆円に倍増させる目標が掲げられた中で、流通のプロフェッショナルである宅建士の役割が重要だ」と話した。金子氏は「自民党の200年住宅ビジョンはストックの質を飛躍的に向上させた。引き続き優良住宅ストック社会の実現に向けて宅建士の皆さんにも知恵を出してもらいたい」などと述べた。

 各講演後には第一線のプレイヤーが集まり、今後の中古住宅流通マーケットに向けたパネルディスカッションを行った。


公開日: 2016年5月19日